企画展 美濃聖人 永田佐吉展
~ その足跡を訪ねて ~
  私の手もとに、今から50年ほど前に武藤重造氏が書かれた長翁夜話(ちょうおうやわ)「佐吉さま」という本がある。その序章にこんな記述がある。

「しかし、どんな長い年月も之を変えることができず、どんな土地、どんな人種の間においても変わることのないものがある。それは人の心の誠である。永田佐吉翁こそ、生涯をかけて、この誠の一字を具顕したものと言って差し支えないものであろう。翁は仏の佐吉と言われた。その誠は母に仕えては比類のない孝養となり、社会に対しては大衆に対する無私の奉仕となった。商業に従事しては、利益を同業に分かち、土木を起して郷土を益し、或いは、不幸な人々に恵んで之を勇気づけ、自分を襲った追剥をすら感泣させて一気に生業に就かしめた程であった。 ・ ・ ・ 」
  少々長い引用となったが、一読すれば、永田佐吉がどんな人物であったかが想像される。佐吉の生きざまから「孝行(こうこう)」「誠実(せいじつ)」「勤勉(きんべん)」「慈愛(じあい)」「報恩(ほうおん)」「公益(こうえき)」など時代に関係なく、人間が人間として生きていく上での大切な事柄を学び取ることができる。
 
 永田佐吉は1701年(元禄14年)、今から300年ほど前、この竹鼻で生まれた。
 
 今回の企画展では、郷土の聖人と言われる佐吉翁とは一体どんな人物であったのか、その足跡を訪ねてみることにした。幸いなことに本館には、画家として有名な不破春香(ふわしゅんこう)「仏佐吉画伝(ほとけさきちがでん)」が残されており、それを中心に佐吉翁の関連資料を集めてみた。

しかし、資料の種類としては本館所蔵のものは極めて少なく、その多くを永田章(ながたあきら)氏の収集資料の活用及び参考にさせていただいた。
 この企画展を通して、改めて郷土の聖人永田佐吉翁の生きざまの一端に触れれば幸いである。
 
 最後にこの企画展に全面的に支援をいただいた永田氏や、羽島市ロータリークラブの皆様及び関係者の方々に深甚なる謝意を申し上げます。

                             羽島市歴史民俗資料館 館長 岩田 源五

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