企画展 華麗なる名画の世界
~洋画コレクション展~
 日本で初めて、洋画のトーキー映画「モロッコ」(ハリウッド映画)が上映されたのは、昭和6年(1931)のことである。男優はゲーリー・クーパー、女優はマレーネ・ディートリッヒである。兵士と酒場の女との悲恋物語で、当時日本でも大ヒットしたと言われている。ゲーリー・クーパーと言えば「真昼の決闘」、オードリー・ヘプバーンと共演した「真昼の情事」など、アメリカでは有名な俳優である。あれから80年ほど経過したが、戦争をはさんで一時は洋画の輸入が激減したものの、戦後日本映画の興隆と共に洋画も数多く見ることが出来るようになった。
 昭和25年頃から、洋画輸入が飛躍的に増大した。昭和25年は1年間で200本余り、「嵐が丘」「白雪姫」「若草物語」。昭和26年「黄色いリボン」「真昼の決闘」など232本。昭和27年「風と共に去りぬ」「第三の男」など184本。昭和28年「シエーン」「禁じられた遊び」など189本である。
一方、映画の隆盛と共に魅惑の女優が次々と誕生していた。今回の企画展では名古屋市在住の安達史郎氏から寄贈を受けた昭和5年(1930)から昭和34年(1959)の洋画パンフレットや、岐阜市在住の瓦林喜一氏から寄贈やお借りした1960年代のプレスシートを、多数展示することが出来た。いずれも今となっては、貴重な映画資料の数々である。
 今回の企画展では、様々な映画俳優が登場している。その中の一人はオードリ―・ヘプバーンである。彼女は「ローマの休日」でアン王女役に出演し一躍有名になった女優で、アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞している。日本人に親しみやすい風貌で、その衣装は女性の憧れのまとであった。また、ヘプバーンカットやサブリナパンツがブームとなった。1993年1月満63歳の若さで生涯を閉じた。今でも、スクリーンの妖精として世界中のファンから親しまれている。
 一方男優では、チャ-ルズ・チャプリン(1889~1977)である。チャプリンの最もよく知られた役柄は「小さな放浪者」である。窮屈な上着、だぶだぶのズボン、大きな靴(ドタ靴)、山高帽子に竹のステッキ、ちょび髭の人物で、アヒルのように足を大きく広げてがに股で歩く特徴である。サイレント時代には多くの映画に出演し、喜劇王と異名をもっている。その他なつかしい俳優は展示資料を見ていただければ思い出されることでしょう。洋画ファンのみならず、邦画ファンの皆様にも是非みていただきたいものばかりである。展示資料はいずれも当時集められた本物のプレスシートでありパンフレットでありポスターである。華麗なる名画の世界を感じ取っていただけたら幸いである。
 また、子どもたちにも、企画展を楽しんでもらおうと、洋画に登場した人物の顔や模型を岐阜市在住の原詠人氏のご協力で陳列することが出来た。めずらしい物がよく保管されていたものである。
 そして、一宮市在住の中村剣持氏が3種の鉛筆(8B・B・H)で丹念に描き上げられたという女優画のいくつかを展示することができ、この企画展に花を添えていただいた。この鉛筆画は中村氏が独自に技法をあみ出したもので、これらの作品が鉛筆でかかれたものとは信じがたい素晴らしいものばかりである。氏の制作過程を拝見させていただいたことがあるが、鉛筆、消しゴム、綿を見事に操り本物ソックリの女優がまるで紙の上に浮かび上がってくるように思えた。とても不思議な光景であった。
 最後に、この企画展に御協力いただいた関係者の皆様に心からお礼と感謝を申しあげます。本当にありがとうございました。

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